いちやなぎ

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京都在住 いちやなぎという名で音楽をやっています。1人でギターもって歌ったり時にはバンドでも。ここでは詩やエッセイ雑文など自由に文章を書きます。

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    日常で思ったこと自由に書きます。ここはぐうたらのあなぐらです。

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    5曲入り音源集「album」について

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呼ばれて飛び出て偽イラハイ〜最果ての雨の中から〜

呼ばれて飛び出て偽イラハイ〜最果ての雨の中から〜(仮) 顛末記 1 立派なホタルイカだなあ、酢味噌でいただくのが好物なんだなあ、なんて。此処は富山、薬売りの街、米騒動発端の地、寒ブリがうまくて黒部ダムがあって立山連峰があって、ホタルイカミュージアムがあって、、。 はじめて歌いにやってきた。ここ問屋町、問屋さんの町ということで大きな倉庫がずらりと並ぶ、その一角に家具屋、そこで歌わせてもらった。ベランダという人気バンドでドラムを叩いていた、たけおさんという方によんでもらった

    • めくってしまえ金色の日々

      めくれる金色の日々(仮) 酔っ払いながらほぼ回らない頭で買ってきたカップラーメンには手をつけず、冷蔵庫に入れたままだったビールと手付かずのスナック菓子で、お腹のわずかな隙間を埋めてしまう。 もう一缶、のっぽのがあるなあ、でもどうしようかな、なんて考えていると大きな眠気がやってきて、寝床にごろん。それが昨夜。 今は近所のスーパーマーケット、お昼。 昨日無駄に買ってしまったラーメンをそのまま昼飯に流用しようとしたけれど、もう少し何か欲しいということでやって来た、スーパー。 こ

      • お外にむかってうちうち内々に

        人様に創作物を披露するようになって10年程になる、、かもしれない。 記念日があるわけでもなんでもなく、ただなんとなくだけれど、おそらくそう。 十代限定のバンドオーディション用に拵えた曲を大学の同級生であるバンドメンバーに聴かせた時がはじめではないかと自分では記憶している。 まだ10年そこそこしか経ていないことに驚く。 僕は小さい頃から創作することが好きだったから、もっと長い事続けた気になってしまっているし、人生の大半を費やした気でいるのだ。 小さい頃から漫画(のようなもの)を

        • ぽんぴろぽんぱん音楽日記(2024 春)

          4月7日 坂口恭平/ 飛行場 「いなくなる時、空の青が変わる」 そんな歌いだしからはじまる。素晴らしい一節、変わったのは世界か僕の中か。 桜はすぐにいなくなってしまうよ 4月8日 風博士/ 窮々屈 きゅうくつきゅうくつだと君は言うけれど、きゅうくつさが感じられないじゃないか。(と言いたくなるような) からっと晴れやか、楽しげな曲。もしくは窮屈を楽しんでるのかしら。 4月9日 The Las / Timeless Melody BBCセッション音源、最近これば

        呼ばれて飛び出て偽イラハイ〜最果ての雨の中から〜

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        記事

          どうか午前は穏やかに、ソマリア海賊

          「今の仕事の前はね自衛隊にいたんですよ」 「へえそりゃすごい」 「アフリカにいたんです、海をパトロールしてソマリア海賊を取り締まっていました」 京の町に佇む古本屋「三密堂」で何やら興味深い話が耳に飛び込んできた。 店番である僕は、いったん手を止めてお勘定場に座って会話に耳をかたむける。 午前の穏やかな日差しに、通りを歩く、様々な国の観光客、隣のラーメン屋は連日大繁盛で整理券なるものをくばっている、このラーメン屋は若い店員さんが多い、隣はギャラリー、オーナーのご婦人とは表の掃き

          どうか午前は穏やかに、ソマリア海賊

          サンドされたシャキシャキ言葉たち

          栞の言うことにゃ(仮) 「ことばは、自由だ。」 挟んだ栞にはこう書いてある。読みかけの本からひょいと覗ける、この二文字にふと目を留めた。そして少しだけ考えた、果たしてことばって自由なのかしら。 至言であるともとれるし大事な何かが抜け落ちてしまっているのではないかとも思えなくも無い。 僕がこの言葉を目にして最初に考えたのは、これを誰が考えたのだろうということだった。 コピーライターが考えたのか出版社の広報の人なのかよくわからない。 「ことばは、自由だ。」という言葉を実際にこ

          サンドされたシャキシャキ言葉たち

          歌は突然ペテンハッタリペッタンコ

          音楽は人の心に語りかけて不思議な作用をする。心を鼓舞して扇動することだってできるし、お祝いお祭りから弔い争いにまで、なんでもこい。 逆に心を落ち着かせることもできる。 鎮魂と覚醒。 作家の中上健二は「優れた音楽は、この世のものだが何処か違う彼方からやってきたような異界性を伴う」としているが、もっともだと思う。 音楽の起源というものを僕は知らないけれど、神様とのコミュニケーション、結局辿れば宗教的なものに還っていくのではないだろうか。 だから、、というと短絡的かもしれないけれ

          歌は突然ペテンハッタリペッタンコ

          なんでもない春の嵐は穏やかに

          「今回のテストはてんで駄目だったからなあ。殆ど空欄で出しちゃったから点数1桁すら、ありえる」 なんてことを布団の中でぼんやりと考えていた。こんな時、スーパーマンのように微熱がやって来てくれればいいんだけど、そんな事あるわけ無く、体は至って健康であるから、あとは仮病を使うしかない。どうしようか、いっその事、もう一眠りなんて考えている内に、だんだんと頭が冴えてきて、僕は点数が悪い筈が無い、なぜならテストを受けていないのだからということが判明する。 夢を見ていたみたいだ。意識を取

          なんでもない春の嵐は穏やかに

          ふらつく先の横丁

          せっかく来たのだからという思いが返って仇となり、あてもなく繁華街を亡霊のように彷徨い、時に人とぶつかりながら、チラシ配りやサンドイッチマンを避けながら、そんなことならばいっそのこと、すぐに帰ればよかったと思いつつも、ここまできてしまったならばと変に意固地になって、何の為、、それは飯を食う為だけれども、、誰の為に、、まあ自分の為他ならないのだけれど、その辺があやふやにすらなっても、まだ歩き続ける。 立ち食いラーメン「金龍」は海外からの旅行者に囲まれて、あらま、意外と調理場に立つ

          ふらつく先の横丁

          続々 思考リレー

          はじめに 1 ある日ドーナツ棒というのを見かけた。 なんだかわくわくした。 2 最近よく街で見かける、レンタル式電動キックスクーターが僕を追い越した、ナンバープレートを見ると大阪。此処は京都。 まさかここまで、それでやってきてないよね? 彼は颯爽と夜の街に消えていった。 3 時間は空間を入れる器で、空間は時間を入れる器。むむう、なるほど。 4 丸いのが普通とされているものが細長かったり、反対に細長いのが普通とされているものが丸かったりすると何故か嬉しい。 5

          続々 思考リレー

          芸術的修行者にはホットサンドをもたせて

          「バウル」ってご存知です?あれです、あれ。ほら、ぬくいサンドイッチ。 ホットサンドの事を言うんですね、熱い鉄板で挟んでぺしゃんこにするあれ。 僕はついぞ今の今まで知りませんでした。何度か食ったことはあったのだろうけれど、バウルだということを知らずにいて、へえそんな名前なのね貴方、ふんふんとインターネットをぽちぽちして「バウル」を調べた。 そうするとベンガル地方の歌うたいとある。 あれま。 適切な訳語が無く「吟遊詩人」、「神秘的詩人」、「芸術的修行者」とされているみたいで、興

          芸術的修行者にはホットサンドをもたせて

          ちぐはぐな街はキレイ

          「どこそこのラーメン屋は知ってる?」 「どこだろう?」 「ふんやら通りを、こう行って、こう行ったところの、、」 「ああ、あの通りね、はいはい。はて、あんなところにラーメン屋なんかあったかしら」 「そう、あそこが美味いの」 「ああ、そういえばあの通りには湯屋があるよね?近く?」 「へ、あんなところに湯屋があったかいな」 大体同じ場所をを思い起こしているのに違いないのに、うまく噛み合わず、互いが想起している街が交わらない。 頭の中で待ち合わせることができない。 みたいな事が、人

          ちぐはぐな街はキレイ

          くどくど毒吐くまいと

          「飛行機好きの方はぜひハワイをおすすめします」 浜辺に立つ黄色い水着姿のべっぴんさんは浮き輪を持ち微笑を浮かべ、方やぽつねんと俯き加減に物憂い視線をなげるべっぴんさん、極端な写真が二葉。 僕が生まれるより前に発刊されたカルチャア雑誌にあった広告。 最初は何の事だかよく分からず、更によくよく見てみると「飛行機グアム3.5時間、ハワイ8時間」 ほうほう。 左下には小さくグアム政府観光局。 なるほど。    とどめには「かしこい選択GUAM」 喧嘩をふっかけたのか、返す刀の事だっ

          くどくど毒吐くまいと

          鼠は夜のうちに走ル

          鼠は夜半のうちに走ル(仮) 1 田舎者は上ばかり向いて、歩いているものだからすぐにバレるというのは一昔前の話で、今は携帯に目を向けて、うろうろしているのが、余所者の可能性が高く、そんな僕は高く聳えるビルディングをボヤボヤと眺めつつ、且つ携帯電話を頼りによちよち歩いている。 よくもまあ、どこから湧いて出たのか川のようにして人があちらこちらで流れをつくり、どこもかしこもお祭りのごとく、てんやわんや、耳に放り込まれる雑沓は、暫くすると存外慣れてしまってむしろ心地よかったりもする。

          鼠は夜のうちに走ル

          ねじれる都市の酒処

          「ハイボウル一杯百圓??」 僕は目を丸くする。 ラミネート加工されたお品書きには、確かにハイボウルが一杯百圓とある。 さすが天下の台所と謂れるだけあって、大仰に光り輝く店が所狭しと軒を連ねる。 メイドさんカッフェや芸人さんの小屋を通り過ぎ、小道具屋が立ち並ぶ商店街をぬけ、ぱっとせぬビルディングのニ階。 席が100はあろうか、騒々しく大きな居酒屋。まだ早い時間だからか、人はまばらで、騒々しいのは店内ミュージックである。話し声を著しく妨害するという程でもなく、かと言ってささやかな

          ねじれる都市の酒処

          もしもしあなた様

          もしもしあなた様 気が滅入って何をする気にもなれずに海を漂う塵のように、これといった希望もなく彷徨う。いつまでも出口がないように思われて途方にくれる。 生きていると本当に色んな事が内にも外にも絶えず巻き起こるわけで、それによって調子が変わるというのは誰しもがある事でございましょう。むしろ何も起こらなすぎるということで、調子を悪くすることすらあるわけですから人間という生き物は大変厄介な生き物でございます。 かくいう僕もこれを書いている今、心が浮かないのです。 年があけて10

          もしもしあなた様